海外で暮らしてみたいのに、年齢制限や国ごとの条件が分からず、最初の一歩を踏み出せない人は少なくありません。ワーホリは18〜30歳のうちに申請でき、日本は30ヵ国と協定を結んでおり、費用・言語・求人状況で得られる経験は大きく変わります。
本記事では、取得可能な年齢と日本と協定を結ぶワーキングホリデーの国の特徴を解説します。
ワーキングホリデーの国で働きながら暮らす仕組み
ワーキングホリデーは観光と就労を組み合わせて滞在でき、留学や就労ビザより柔らかい条件で海外生活を始められる制度です。仕組みを理解するほど選べるワーキングホリデーの国の幅が広がり、行き先によって仕事の探し方や1日の過ごし方も変わります。
こちらでは制度の特徴を押さえながら、現地での働き方や留学との違いを具体的に見ていきます。
観光を軸に働ける柔軟な仕組み
ワーキングホリデーは観光を目的とした長期滞在の中で、生活費を補うための就労が認められている制度です。大きな貯金がなくても現地で収入を得ながら暮らしを維持でき、カフェ・農園・ホテルなど職種の選択肢も幅広くあります。
語学学校とアルバイトを組み合わせれば、短期旅行よりも「暮らす」に近い日常を経験できます。カナダは同じ雇用主のもとで最長1年間働け、オーストラリアは原則6か月ごとに職場を変えながら滞在するケースが一般的です。
台湾は就労条件が比較的ゆるく、チャレンジしながら仕事内容を調整しやすい点が魅力です。
参考サイト:ALEX BLOG
留学との違いは就労の可否と滞在スタイル
多くの国の留学ビザでは、アルバイトの労働時間に週28時間までなどの上限があり、さらに授業料の負担も大きくなりがちです。一方、ワーキングホリデーは就労時間に上限がない国が多く、午前は語学学校、午後は勤務といったリズムを無理なく組みやすいのが特徴です。
授業料中心の留学よりも自分で生活費を稼ぎやすく、滞在期間を長く取りやすい点もメリットです。「学校で学ぶ時間」と「働きながら文化に触れる時間」を同時に確保できるため、語学重視か実務経験重視かといった目的しだいで、自分に合うワーキングホリデーの国の選び方が変わってきます。
ワーキングホリデーの国は30歳までに申請完了が必須
ワーホリは思い立てば誰でも行けるわけではなく、国ごとに年齢の上限があります。多くのワーキングホリデーの国ではビザ申請時の年齢が18〜30歳と決まっており、この枠内で動けるかどうかで挑戦できる国の数が変わります。
こちらでは、その年齢制限と申請タイミングの考え方を整理していきます。
30歳を迎える前に申請完了が必要
29歳後半からの準備は、書類の不備や募集枠の消化による数週間の遅れが不許可に直結するリスクがあります。人気のワーキングホリデーの国では募集開始日に定員に達し、追加募集が行われない年もあるため注意が必要です。
ビザ発給には数週間~数か月かかるため、パスポート確認や必要書類の準備は早めに進めておくと安心です。30歳のうちに申請を済ませれば、ビザ発給後1年以内なら入国時に31歳でも渡航できる国もあります。
参考サイト:ワクトリLABO
国により「申請時」か「入国時」で判定が違う
年齢の判定タイミングは国ごとに異なり、「ビザ申請時」で判断するパターンと「入国時」で判断するパターンの2種類があります。
ビザ取得後1年以内の入国なら31歳でも問題ない国もありますが、申請日基準で30歳までとする国では31歳になると入国が認められない場合もあります。
この違いを誤解すると、航空券購入後に入国できず費用だけが残る事態になりかねません。特に30歳目前での申請では、外務省や各国大使館の最新情報で「年齢を何時点で見るのか」「発給後の入国猶予期間」を必ず確認してください。
ワーキングホリデーの国で行ける30の選択肢
日本は30の国と協定を結んでおり、アジア・オセアニア、北中南米、ヨーロッパなど、地域によって得られる経験が大きく変わります。
こちらでは地域ごとの特徴と代表的なワーキングホリデーの国を押さえていきます。
「アジア・オセアニア」距離が近く挑戦しやすい
日本から近く、初めての挑戦として選ばれやすいエリアです。オーストラリアとニュージーランドは求人が豊富で、語学学校と就労を組み合わせて生活を組み立てやすい点が魅力です。
オーストラリアは発給枠がなく、条件を満たせば最大3年まで滞在延長が可能です。台湾は物価が日本の約3分の2で、最低賃金は時給190台湾ドル(2026年1月から196台湾ドルに引き上げ予定)とされています。韓国は2025年10月からワーキングホリデーを2回利用できる枠組みが導入される見込みです。
距離の近さや文化の共通点もあり、費用を抑えて海外生活に挑戦したい人にとって有力な選択肢になります。
「北中南米」英語+多文化が混ざる生活環境
北中南米エリアは、英語圏とスペイン語圏が混在し、多文化の中で暮らせることが特徴です。
カナダは語学学校と仕事の両立がしやすく、移民が多い社会の中で日常的に英語を使う場面に恵まれています。アルゼンチンやチリなど南米の協定国では、スペイン語を使いながらラテン文化に触れる時間が増えていきます。
ヨーロッパは美術館や歴史的建物が生活圏に溶け込んでおり、日々の暮らし自体が文化体験につながりやすいエリアです。フランス・ドイツ・スペインなどでは英語以外の言語が主流で、イギリスは最長2年間滞在できる制度が整っています。
物価が高い国も多いため、費用面とのバランスを見ながら候補に入れると現実的になります。
参考サイト:成功する留学
まとめ
ワーキングホリデーの国は、原則として18〜30歳の間に申請でき、日本は2025年時点で30カ国と協定を結んでいます。
渡航先は「費用」「言語」「仕事」の3つの軸で整理すると自分に合う候補を絞りやすく、英語圏ならオーストラリアやカナダ、コスト重視なら台湾や韓国、文化重視ならヨーロッパや中南米といった分け方が可能です。
制度の仕組みや年齢条件を早めに理解して準備を進めておけば、ビザ枠や誕生日を意識して焦ることなく判断しやすくなります。迷っている時間も年齢は進むため、まずは情報収集やパスポート確認、必要書類の洗い出しといった小さな一歩から始めることで、ワーキングホリデーの国への道が現実味を帯びてきます。








